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福島第一原子力発電所第3号機使用済燃料プールへの鉄骨落下事象に係る東京電力(株)からの報告を評価するとともに、追加的な対応の指示を行いましたので公表します。
ID: NRA078500070
原子力規制委員会は、平成24年9月26日付けで東京電力株式会社(以下「東京電力」という)に対して、平成24年9月22日の福島第一原子力発電所第3号機がれき撤去作業中に発生した使用済燃料プールに鉄骨が落下した事象について、その原因究明及び再発防止対策を求めるとともに、本件による使用済燃料及び使用済燃料プールへの影響評価を行うこと等を指示し(平成24年9月26日お知らせ済み)、10月3日に、東京電力から、当該指示に係る報告を受領しました(平成24年10月4日お知らせ済み)。 原子力規制委員会は、10月10日に第四回原子力規制委員会において、上記報告を評価し、鉄骨落下による使用済燃料等の健全性に係る影響が確認されていること、落下原因の究明や再発防止対策が検討されていること等から、がれき撤去作業の再開については差し支えないものと判断するとともに、東京電力に対し、使用済燃料プールから冷却水が喪失した場合における使用済燃料の健全性及び影響評価等について、追加的な対応の指示を行いましたので、公表します。
(1)平成24年9月22日午前11時頃、福島第一原子力発電所第3号機原子炉建屋上部のがれき撤去作業中に、使用済燃料プール付近にあった鉄骨が当該プール内に滑り落ちる事象が発生し、同日付で原子力規制委員会に報告がありました。 (2)原子力規制委員会は、本事象の内容に鑑み東京電力に対し、原因究明、再発防止対策及び使用済燃料への影響評価を行うこと等を同日、口頭にて指示するとともに、平成24年9月26日付け「福島第一原子力発電所第3号機使用済燃料プールへの鉄骨落下事象について(指示)」により、指示を行いました。 (3)10月3日に、原子力規制委員会は、上記の指示に対する東京電力からの報告を受領しました。 (4)10月10日に、原子力規制委員会は、上記の指示に対する東京電力からの報告を評価するとともに、追加的な対応の指示を行いました。
東京電力の報告書においては、事故発生時の経過概要に係る事実関係を示した上で、当委員会が指示した4項目について報告されています。 (当該URL:)
当委員会の指示事項に対して、東京電力からの報告書において、 ①鉄骨落下による使用済燃料及び燃料プール等の健全性に係る影響が確認されていること ②落下原因の究明や再発防止対策が検討されていること ③がれき等が使用済燃料プールに落下した場合の安全対策が検討されていること ④使用済燃料プールライナの破損と水が漏出した場合の影響評価が行われていること を確認しました。 これらを踏まえ、がれき撤去作業の再開については差し支えないものと判断しました。 ただし、再発防止対策をより確実なものとすること、使用済燃料プールの冷却水が喪失した場合の影響評価がなされていないことから、次の事項について、東京電力に対して追加的な対応を指示しました。
①がれき撤去にあたって、東京電力は協力会社と連携して、慎重に状況調査計画を検討した上で作業に着手すること。 ②使用済燃料の状態確認においては、直接確認する方法(例えば水中カメラによる確認結果)も加えること。 ③使用済燃料プールから冷却水が喪失した場合における使用済燃料の健全性及び影響評価について、追加検討を行うこと。
原子力規制委員会は、鉄骨落下に係る再発防止対策が確実に実施されていること及びがれき等が使用済燃料プールに落下した場合の安全対策が講じられていることについて、現地の原子力保安検査官による確認を行ってまいります。また、追加的な対応に係る東京電力の取り組みについて報告を受けるとともに、その内容を確認してまいります。